今春実施された2021年度「全国学力・学習状況調査」について、秋田市教育研究所の先生に総評をお聞きしました。
秋田の子どもたちの学習状況について、具体的に知りたいですよね。
Q1 国が、小学6年生と中学3年生を対象にこの調査を実施している目的は何ですか?
A 全国的な児童生徒の学力や学習状況を把握・分析し、成果と課題を検証することや、学校における児童生徒への教育指導の充実や学習状況の改善等に役立てることなどを目的としています。
Q2 今年度、秋田の子どもたちの結果はどうでしたか?
A 小学生の国語、算数の各領域ごとの平均正答率は、算数の「図形」を除いて全国平均を上回りました。問題に対する無解答の割合も、国語、算数の全ての問題で全国平均を下回りました。また、同時に行った質問紙調査の結果から、基本的な生活習慣や家庭での学習習慣を身に付けている子どもの割合などが、全国平均より高いことが分かりました。
Q3 国語の平均正答率が全国一とのことですが、この好成績の背景にあるものは何でしょうか?
A 各校における国語の授業においては、言葉に関する知識を身に付けるだけでなく、音読を通して言葉の響きやリズムを感じたり、自分の思いを話したりするなど、表現する楽しさを味わうことができるような活動を大切にしています。また、子どもたちが意欲的に学習に取り組めるよう、先生方が協力して授業づくりに取り組んでいることなどが要因と考えられます。一方、課題が見られたのは、文章と図表を結び付けて読むことなどでした。文章から読み取ったことを整理したり、自分の考えをまとめたりする学習の積み重ねを大切にしてほしいと思います。
Q4 算数の図形の問題が全国平均正答率を下回った要因は何だと考えられますか?
A 面積を求める問題などで課題が見られました。面積を求めたい図形について、「底辺と高さ」「たてと横」がどこなのか、どんな図形が組み合わさってできているのかなどをとらえることができなかったことが要因だと考えられます。これまで学習してきたことを使って問題が解けないか考えてみたり、解き方を友だちと説明し合って、よりよい方法を考えたりするような学習を大切にしてほしいと思います。
Q5 一人ひとりの結果は後に渡されるのでしょうか?
A 担任の先生などから、各教科の問題ごとの結果と、全国の正答率などが一覧になった個人票が一人ひとりに渡されます。今回の調査は小学校1年生から5年生までに学習する内容が範囲とされていましたので、ご家庭でもそれぞれの結果を振り返ってみてください。
Q6 コロナ禍の休校措置と正答率に、関係性は何か見られましたか?
A 休校の影響は、特になかったと考えられます。質問紙調査に、休校中の学習や生活に関する質問がありましたが、秋田市の小学生では、休校中も「計画的に学習を続けることができていた」「規則正しい生活を送っていた」と回答している割合が、全国平均を上回っていました。