「知っておきたい子育てあれこれ」

ママファミ 2022年秋号掲載

「知っておきたい子育てあれこれ」

「お肌のクリニック」豊田知子院長にお聞きした乳児期の皮膚トラブルについて、web版ママファミ ではアレルギーに関する話題をお伝えします。

 

Q. 息子(2歳)がアレルギー持ちで困っています。家庭で何かできることはないでしょうか ?

A. アレルギー疾患には、食物アレルギー、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎(花粉症等)、アレルギー性結膜炎、気管支ぜんそくなど色々な疾患があります。小児期には、これらの疾患が、乳幼児のアトピー性皮膚炎を始まりとし、続いて食物アレルギー、気管支ぜんそく、アレルギー性鼻炎と次々と異なる時期に出現してくることがあります。これをアレルギーマーチ(アレルギーの行進)と呼びます。近年、小児のアレルギー疾患が増加する中で、このアレルギーマーチの発症、進展を予防することが重要な課題であり、そのための早期発見、早期介入の研究が進められています。

2010年には米国皮膚科学会誌において、新生児から保湿を開始したアレルギーのハイリスク家系(両親ともにもしくは両親のどちらかがアトピー性皮膚炎)のお子さん20人を2年以上継続して観察し、3人のみにアトピー性皮膚炎が発症したとの報告がありました。さらに2014年には日本及び海外から、アトピー性皮膚炎患者を親にもつハイリスク家系の新生児を、保湿させるグループと保湿しないグループに分けて経過をみたところ、保湿させるグループの方がアトピー性皮膚炎の発症を抑えることができたという報告が相次ぎました。
それまで、食物アレルギーは食べ物を口から摂取することを制限して防ぐものと考えられていましたが、2008年にイギリスのDr. Lackより「経皮感作(皮膚からのアレルゲンの侵入によりアレルギーが成立すること)が食物アレルギーの発症の引き金になり、むしろ経口摂取(口から食べ物を摂取すること)は腸管の免疫寛容(アレルギー反応を起こさないこと)につながる。」という歴史的な報告がされました。

その後も乳児期に湿疹を起こさない様なスキンケアを行うことが食物アレルギーの発症を防ぐのに非常に大切であるという極めて重要な報告が続いております。つまり新生児から始めるスキンケアは生涯のアレルギー予防に重要なことが示唆されています。

 

 

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