探訪!vol.23 受験のない中3生 将来について考える

将来の就職について企業人から話を聴く「企業ガイダンス」。東大生から勉強方法などを教えてもらう「東大見学ツアー」。中等部ならではの2つの学びについてお伝えします。

仕事について考える

昨年12月上旬、中等部3年生を対象に秋田地域振興局などが主催する「地域企業ガイダンス」が開催されました。地元企業20社が参加。中3生が各企業から仕事の魅力ややりがいなどを教えてもらい、就職や進学への理解を深めることをねらいとしています。まず初めに、参加企業による経営者講話があり、ワークライフバランスも含めた地元就職の利点や、進路決定で大切なことなどが伝えられました。高校受験のない中等部生には将来を考える時間がたっぷりあるので、今から考えてみようという提言でした。

その後、生徒たちは自分の興味・関心に応じてあらかじめ選んだ企業3社の各ブースを訪問しました。企業からの説明は約20分、質疑応答が5分のタイムスケジュールです。

 

企業の説明をうなずきながら真剣な表情で聴いていた3年生。事前に準備してきた質問も、企業のことを調べたうえで自分の将来に結び付くようなものや、「世界のエネルギー危機をどのように考えていますか?」など、環境問題や社会貢献に関するものもありました。

 

工夫をこらした企業説明に生徒からの質問も飛び交い、時間オーバーしてしまうブースもあったようです。

プレス絞り加工された金属製品について説明するユーティーケー工業

 

地域企業ガイダンスに参加して

• 原田 寧々 さん(中3)
東北電力の「東北の繁栄なくして、当社の発展なし」というスローガンが印象的でした。スタッフさんからは勤務先や秋田への愛が感じられ、給料や仕事内容以外にも大切なものがあると感じました。自分の将来についてはまだ考え中ですが、秋田をよりよくできるような職業に就き、地元に貢献できたらよいと思います。
• 長崎 華佳 さん(中3)
きららホールディングスのスタッフさんが「福祉の仕事は、その人らしい生活をサポートすること」と語っていたことが印象深いです。1人ひとりに向き合い話を聞くなど、企業としての工夫やこだわりをたくさん学べました。県外で働きたいと思っていましたが、ほとんどの仕事は秋田でもできると知り、地元企業にもっと関心をもって調べてみたいと思いました。

大学進学について考える

12月中旬、中3生と高1生の希望者を対象に東大見学ツアーをリモートで行いました。この企画は、東大生からキャンパスの雰囲気や学びの楽しさを聞いて、大学受験に対するモチベーションを高めたり、日頃の学習プランを東大生とともに見直し自分なりの勉強方法を見つけることをねらいとしています。中3生からは27名の生徒が参加。キャンパス紹介やパネルディスカッション、ワークショップなどの内容で東大生と直接交流をし、アドバイスをもらうことで刺激をたくさん受けた様子でした。

東大見学ツアーに参加して

• 岩井 美優 さん(中3)
計画の重要性を伝えてくれたプレゼンテーションで、「常に今が一番ひま」という東大生の言葉が印象に残りました。「時間がある今」から準備をすることが大切だと気付かされたのです。東大はまだ雲の上の存在ですが、「東大で学んでみたい」という気持ちも少し芽生えました。
• 今野 若葉 さん(中3)
受験勉強は「どれだけ勉強するか」が重要なのではなく、「どれだけ点を取るか」が大切と教えてもらいました。また、苦手を徹底的につぶしていく無駄のない勉強法が素晴らしいと思いました。何をするにも「自分なりのやり方」を見つけることでレベルがグッと上がると感じた時間でした。

 

秋田県立秋田南高等学校中等部
秋田市仁井田緑町4-1
TEL 018-833-7431
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