先生!教えてください!子どもとママの身体・気になることあれこれ

先生!教えてください!
子どもとママの身体・気になることあれこれ

前号で掲載し、読者の皆さんの関心も高かった「子どもの病気・心配なこと あれこれ」。今号では、子どもの身体の一部分、歯と目について、更にママの身体で気になることについて各科の先生に教えてもらいました。

 まずは、乳幼児期から気になることの多い歯科から。

お答えくださるのは「ささき歯科クリニック」佐々木 大輔院長です。

 

生えかわり期に注意することは何ですか?

生えかわり期は大きく分けると、
①前歯と6歳※臼歯が生える時期 (6歳前後)、②乳歯の奥歯が生えかわる時期(9〜10歳前後)に分けられます。
2つの時期に共通して言えることは、生えたばかりの永久歯は弱い状態で、むし歯になりやすいということです。生えたばかりの永久歯は成熟しておらず、お口の中のミネラル成分を吸収しながら徐々に強くなっていきます。また、しっかり噛み合っていない、歯ぐきの形が整っていないなど汚れが溜まりやすい状態にもあります。むし歯にならないように丁寧に磨きましょう。ただし、生えかわり途中の歯の歯ぐきは傷つきやすいので、優しく磨いてあげてください。

この時期の成熟していない永久歯はミネラル成分の吸収が良いので、フッ化物による歯の強化が効果的に現れます。学校では、小学1年生の秋頃からフッ化物洗口が始まります。むし歯予防効果が高いので、有効に利用してください。ただ、生えかわりの早い子は学校のフッ化物洗口事業の効果が得られない場合があります。幼稚園・保育園の時期に生えかわりが進むお子さんは、かかりつけの歯科医にご相談ください。

※臼歯…乳歯の一番奥に生えてくる永久歯のこと。

 

 

歯並びがガタガタ、どんな影響がありますか?

 上下の歯を合わせる時、ガタガタの歯並びにひっかかって、下のあごがずれませんか? まっすぐに噛めない時は要注意です。あごがずれて成長して顔のゆがみにつながったり、顎関節に障害が出ることもあります。早めの受診をおすすめします。

また機能面では、よく噛むことによって、
①唾液がたくさん出て、口の中がきれいになる
②消化吸収を助ける
③口に入った食べられないもの、飲み込めない状態を判別する
④おいしさや満足感が得られるので肥満予防になる
⑤左右の筋肉を均等に使うので顔つきが整う
⑥血液の流れがよくなり、脳が活性化する
など良いことがたくさんあります。食べる機能に影響が出るようなガタガタではないか、食事中によく観察しましょう。

そして見た目では、お子さんがコンプレックスを感じていないかが重要です。審美面だけの問題であれば、お子さんの気持ちの成長に合わせて治療を考えていっても良いと思いますが、機能的に問題が生じていないか、かかりつけの歯科医に相談しましょう。

 

あごが小さい子はあごの成長に何が必要?

 

 あごの骨も全身の骨格の一部ですので、あごの骨だけを成長させることはできません。 身体全体の成長を考え、食事・休養・運動のバランスに気をつけましょう。歯並びは、あごの大きさと歯の大きさのバランスで決まります。あごが大きくても歯並びが悪くなることがありますし、また、その逆もあります。永久歯が生える時期と骨格の成長時期が合わないことからくる、歯並びの悪さもあります。  ただ、よく噛むことは、舌や頬などのお口の筋肉がよく働きますので、歯の整列には有効です。よく噛むことは、食育の面から体の成長を促しますので、結果的にあごの成長につながるかもしれませんね。よく噛むことによる歯並びと食育を考えると、間食が多かったり、食事が軟食だったりするのは問題でしょう。

 

 

父親に似て、下のあごが出ている受け口になってきました。そのままで良いですか?

 受け口には、①骨格そのものが受け口の成長をするもの ②歯の生え方や機能の問題から生じるもの、の2種類があります。

骨格性の受け口は、「遺伝」の影響が大きいです。また、骨格の成長は20歳くらいまで続くので、難症例といえます。ただ、父親の受け口が骨格性ではなく、②の可能性もありますので、必ずしも遺伝の①骨格性とは限りません。

実は放っておいて自然に治るケースもあります。ある調査によると、受け口の割合が、1歳6か月児は約15%、5歳児では約5%と年齢が進むにつれて減少してきています。このように自然治癒の可能性はありますが、簡単な処置や訓練で治るはずのものを、介入時期が遅れたために難しくしてまうこともあります。様子をみるにしても、歯科医の判断のもと、「正しく」様子をみましょう。

 

 

ささき歯科クリニック
秋田市広面字大袋38-1
TEL:018-884-0333

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