「個性の伸長と愛郷心の高揚」を教育目標に掲げ「表現科」などの独自カリキュラムを実施している御所野学院中学校。コロナ対策を実施しながら学習や行事に取り組む様子をご紹介します。
創立20周年を迎えた中高一貫校
令和2年度に創立20周年を迎えた御所野学院。設立当初は県内初の中高一貫校であり、全国的にもまだ数校ということで、当時の文部省から研究開発学校の指定を受けていました。現在も御所野学院で行われている、表現科、国際理解教育、郷土学、自分探求学など6年間の一貫性を生かしたカリキュラムが特徴的です。
表現科を設置している目的、特長
表現科は、同校の理念である「一人一人のよさや得意を伸ばし、個性を開花すること」や「コミュニケーション能力を育成し、国際交流を目指す学校」などを目標として設定された、独自の教科です。中学3年間と高校2年間を合わせた5年にわたってより広く様々な文化にふれることで、郷土を大切にするとともに、日本のみならず国際的な視野で物事をとらえ、のびのびと自己表現できる人間になることをねらいとしています。
郷土芸能・リズムダンス・書道など
今年度は、新型コロナウイルスの影響で表現科の授業開始が6月後半となり、時数が削減された状況で、百人一首、三味線、リズムダンス、朗読劇、書道などの活動を行いました。活動は3密にならないように配慮(換気、マスクやフェイスシールドの着用、フィジカルディスタンス)。発表会は保護者や地域の方々を招かず、生徒のみで行いました。
学習&発表会
〈表現科を終えて 3年 菊地 真結 さん 〉
日本の楽器の音色の美しさに惹かれ、1年生では伝統音楽(箏)、2・3年生では郷土芸能(三味線)を受講しました。3年間の表現科を通して、日本の伝統音楽の美しさや、演奏することの楽しさを体感することができました。
〈 発表会、大成功! 3年 播摩翔吏 さん 〉
私はリズムダンスを受講し、グループで力強く踊る曲に挑戦しました。今年は授業回数が少なかったので上手く踊れるか不安でしたが、当日はいざ踊り出すと一気に緊張がほぐれ、最高にパワフルなダンスを披露することができました。
コロナ対策
普段の授業では一人一人の座席の間隔を空け、換気を実施。グループ学習の際は、マスクと併用でフェイスシールドを使用し、共同で教材を使用した後は手指消毒や手洗いの徹底を図りました。今年度は、教科ごとに教室を移動する「教科教室制」を行うことができませんでした。
その他にも生徒がよく手を触れる箇所や共有物は1日1回以上消毒。夏は熱中症対策として教室内に扇風機を4台設置、授業中に給水タイムを設けました。冬は、教室内に空気清浄機を設置し、ウイルス対策を講じました。新しい生活様式に慣れてもらうために、子どもたちに意識付けを図り、学校内だけに限らず家庭でも日常的に当たり前のこととしてできるように指導を行っています。
今後の展望
今はコロナ禍にあって、例年のような取り組みはできません。それでも子どもたちは、学院祭などの行事では知恵を出し合い、新しいことにも積極的にチャレンジし、盛り上げていこうとしていました。どうにかして成功させようと努力するその前向きな姿からは、たくましさと逆境に立ち向かう勇気を感じました。思うようにならない社会状況下にありますが、子どもたちはきっとこの困難を乗り越えてくれるだろうと思っています。来年度は、コロナが収束し、通常の活動ができることを願うばかりです。(吉田 仁 教頭)
自分レベル上げ
スクールカウンセラー講義
様々な教育環境の変化もあり、「優秀な子」の定義が変わりつつあります。そんな未来を生きる生徒たちに向けて、スクールカウンセラーの丸山真理子先生による講義が12月に行われました。
まずは、今「必要とされるスキル」として問題解決力・クリティカルシンキング(現状や情報を鵜呑みにしない思考力)・創造性の大切さを紹介。これらをレベルアップするためには、
1. 地道な努力
2. 困ったら誰かの力を借りる
3. エラーも大事 ! 間違えて覚えることもある
4. 自分のキャラ(持ち味・役割)を活かす
などのポイントアドバイスがありました。
またSNSマナーに関して、「他人との境界線」の感覚を身につけ、入力した文章を読み直してから発信するクセをつけるよう説明。「過去と他人は変えられないが、自分と未来は変えられる」という言葉に、生徒たちも大きくうなずいている様子でした。
秋田市御所野地蔵田4-1-1 TEL 018-889-8330