先生!教えてください!
子どもの病気・心配なことあれこれ
早いもので季節は秋から冬へ。季節の変わり目は、子どもってホントにいろんな病気をもらってきますよね。初めての子育てならもちろんのこと、2人目だって「上の子と違う」症状に出会うこともしばしば。気になる子どもの病気や心配事について、各科の先生に聞いてみました。
まずは、みんながお世話になる小児科から。
お答えくださるのは「いなみ小児科ファミリークリニック」稲見 育大 院長です。
風邪について
発熱時に解熱剤を使うかどうか迷うのですが…
熱があると非常に辛そうで心配になります。しかし、熱は生体の防御反応で侵入してきた細菌やウイルスの活動を抑えます。つまり風邪が早く治るための反応なのです。 「風邪の熱のせいで脳がおかしくなるのでは」と心配されるかもしれませんが、そのようなことはありませんのでご安心ください。水分が摂れて、眠れているようでしたら慌てずに看病してあげてください。ただ発熱は体力を消耗しますので、食事や水分が摂れず、眠れていない様でしたら解熱剤を使います。目安は38度〜38 ・5度程度以上、効果は4~6時間、その間に栄養補給や睡眠をとらせてあげてください。1度解熱剤を使ったら6時間以上間隔をあけ様子を見てください。直ぐに熱が下がらないからといって追加して使わないように気をつけましょう。
風邪をひいたら、マスクをした方が良いですか?
今のところ、マスクが有効であるという科学的な根拠はなく、様々な意見がありますが、私としては保湿効果なども考えるとマスクをするのは決して無駄なことではないと考えています。 また、咳やくしゃみのしぶきは2mほど飛び散りますので、マスクをすることによって風邪の感染を拡大させない効果はあります。これを「咳エチケット」と言いますね。お互いのために心がけましょう。
うがいはどのくらい風邪予防に有効ですか?
水で「うがいをするグループ」と「うがいをしないグループ」で風邪をひいたかどうかを調べました。(うがいは15秒程度のうがいを2回で1セットとし1日3セット以上行っています)その結果うがいをすることで風邪をひいた人は36%減少したそうです! また別の研究で、お茶でうがいすることによって水うがいと比べて発熱を約60%程度抑えることができるという報告があります。イソジンなどのヨウ素系のうがい薬でうがいした群も比較しましたが、意外なことに風邪をひいた人は11%しか減少しませんでした。まとめると「水での1日2回以上のうがいは風邪の予防に効果あり!お茶なら更に良し!」ということでしょう。みなさんうがいをしましょう!!
その他
1歳児の手づかみ食べをやめさせたいのですが…
こどもは食べ物を「見て」位置や大きさなどを把握し、「掴んで」感触や温度などを感じながら上手に持ち、「口に運ぶ」という流れを繰り返しながら食べることを学んでいきます。そして、食べる楽しみや意欲も育ちます。一般的にスプーンを使おうとするのは1歳前後からで、その後スプーンの上達とともに手づかみ食べは自然に減っていきます。「お行儀がわるい」「汚れるから大変!」と感じるかもしれませんが成長のための大切なステップとして応援してあげてください。最近は、離乳食期の子どもには「手づかみ食べ」も推奨されています。
うつぶせ寝は危険ですか?
うつぶせ寝は以前は、より良い睡眠が得られる、頭の形が良くなるなどの理由で推奨されていました。しかし、うつぶせ寝が多くなるのと同時期から「乳幼児突然死症候群」といって明らかな原因がわからずに突然亡くなってしまう赤ちゃんが増えました。その後、専門家の研究結果で関係性が明らかになり、現在は赤ちゃんのうつぶせ寝は推奨されないどころか「うつぶせ寝をさせない」ように指導しています。自分で自由に寝返りができるようになるまで(大抵は生後5~6か月)は注意してくださいね。
いなみ小児科ファミリークリニック
秋田市保戸野中町1-45
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