【すぐに実践できる!】子どもの意欲を引き出す声かけ

ガンバルマン学習塾の塾長で、小学校の学級生活支援サポーターとしてもご活躍の木元美香先生から「言うことを聞かない子どもへの声かけ」についてお聞きしました。

 

新年度が始まり、もう2カ月が経とうとしていますね。
子どもたちの様子はいかがでしょうか?
元気にスタートを切った子どももいれば、不安や甘えたい気持ちを抱えて新しい学年を迎えたりと、さまざまな様子があると思います。
そして、そんな我が子を持つ親の心境もまた、ハラハラドキドキではないでしょうか。

進級・進学をすると子どもたちに、「もう〇年生なのだから…」という声かけをすることがあると思います。
親や学校の先生は、子どもたちが自立心を育てて何でも自分でできるように応援しているからこその言葉です。

私も小学校に入学した時や、学年が上がるごとに、そんな声をかけていました。
仕事が終わり帰宅すれば、「宿題は終わったの? ご飯作る間にやっちゃいなさい」と言ったり、ご飯を食べ終わると「お風呂に入りなさい」と促したり、お風呂から上がると「そろそろ寝る時間だよ」と言ったりする日々でした。
これもまた親の気持ちからすると、宿題をしないと子どもが怒られるからやった方がいいし、寝不足で学校に行くと辛いだろうから、少しでも早く寝たほうが子どものためと思っての言葉です。

日々のイライラや衝突から抜け出すために、今回は、毎日頑張っている保護者の皆様に何かヒントになると良いな♪ との思いを込めて、ご紹介させていただきます。

躾だから、やらなければ! 責任感からの指示が感情的な対立に。「子どもは何がイヤなのか」を聞くことで、思わぬ解決法が見つかることがあります。

<例>
小学校2年生の子どもがいる家庭の一例です。
学校から帰って来るとランドセルを玄関に置きっぱなしです。

自分の部屋(2階)に片付けることになっているので、親は本当に困ってイライラします。

親:「ランドセルは部屋に片付けなさい!」
子:「やだ!面倒くさい」
親:「自分の物は自分で片付けなさい」
子:「後でやるから」
親:「そうやっていつもやらないでしょ!!」
子:「うるさいなー!」

こんな会話の後は、結局、大声を出して無理矢理片付けさせるのが日課。
どうしたらイライラせず、子どもに親の気持ちが分かってもらえるのでしょうか。

 

・子どもの気持ち(行動原理)を聞かずに非難しない
・「言われたことをやらない」とどうなるか、具体的に伝える
・今の自分(親)の気持ちを率直に伝える
今回の場合は、「なぜランドセルが玄関に置いてあると嫌なのか」親が自分の気持ちとしっかりと向き合うことが大切です。

 

親:「玄関にランドセルを置いたままにしておくと、邪魔になるし、つまずきそうになるから危なくて困るんだよね」
子:「あっ、ごめん。トイレに行きたくて慌ててさ。で、トイレから出たら忘れた」
親:「トイレから出たら、忘れちゃたんだね」
子:「うん。今、片付けるね~」
親:「ありがとう」

 

子どもは叱られると、親から怒りの気持ちしか感じとれません。
率直に「危ない」「困っている」と伝えたことで、「じゃあ、片付けよう」と行動を変える気持ちになりました。

 

しかし! 当然ですが、ここで「めでたしめでたし」とならないのが子育てですよね。

 

数日後、ランドセルがまた玄関に置きっぱなしになることが続きました。
子どもに理由を聞きます。

「友達との約束の時間に遅れると思って急いでた」
「宿題やるとき2階まで持っていくの面倒」

という答えが返ってきました。

親からするとどちらも「そんなことで!」と叱ってしまいたくなりますよね。
でも、この理由からわかる共通の問題点あります。

それは、ランドセルを2階に運ぶことは「利便性が悪い」ということです。
子どもは子どもなりの言葉でこのことを伝えているのです。

そこで、玄関端にランドセルがすっぽり入る籠を準備しました。すると、子どもも喜んで籠に入れるようになりました。玄関がスッキリと見えるので、親の気持ちもスッキリ。

自分の気持ちを正直に伝えるだけでは改善されない時は、無理にやらせるのではなく、子どもになぜその行動をするのか聞いてみることも大切です。環境を変えることで行動が変わり、受け入れられることがあります。

命令や脅しで子どもに「言うことをきかせる」という気持ちではお互いにイライラがたまるだけです。

子どもの気持ちを理解し、信じること、そして寄り添うことが大切です。
そして、一番はそばにいることが実感できるようスキンシップを大切にしてください♡

 

最後に、教育学者ウェイトリーの詩で終わりにします。

子育ての悩み、学習の不安などお気軽にご相談くださいね。

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