子どもとの関係に自信がもてる!コミュニケーション方法

新学期がスタートして、親も子どももなにかとストレスが多い時期。
「なんでできないの?」とイライラしたり、子どもとケンカになったり、などということありませんか?
今回は、「子どもの考える力を伸ばす親子(人間)関係のつくり方」を伝える、親業訓練インストラクターの木元美香さんにお話をうかがいました。

Q.親業とはなんですか?

親業とは、アメリカの臨床心理学者のトマス・ゴードン博士が、臨床心理学・発達心理学・教育学などの研究結果をもとにして作ったコミュニケーションプログラムで、P.E.T(Parent Effectiveness Training) 直訳すると、「親としての役割を効果的に果たすための訓練」です。
ゴードン博士は、プロのカウンセラーや研究者の考え方や技法を、一般の私たちでも使えるプログラムにして人々に広めました。
そして日本では、親業訓練協会が設立して今年で40年になります。
親業訓練の理念は、親子関係のみならずあらゆる人間関係に共通することから、全国各地で講座を開催するなど様々な普及・促進活動を行なっています。

Q.講座ではどのようなことが学べますか?

親業は、「聞く」「話す」「対立を解く」の3つの柱で構成されています。
講座では大きく分けてこの3つの基本的な方法が学べます。

1.「聞くこと」
子どもの気持ちを聞き、子どもが自分自身で問題を解決できるように手助けします。

2.「話すこと」
親の気持ちや考え方を率直に伝えるとき、子どもにとって理解しやすい表現を学びます。

3.「対立を解く」
親と子の欲求が対立したとき、どちらも納得がいく解決策を見つけます。また、異なる価値観から生まれる行動が対立したとき、いくつかの解決方法をとっていきます。これらの方法を使うことでお互いに「分かり合える関係」を築いていきます。

Q.どのように実践すればいいですか?

<例:コミュニケーションで親子の「心のかけ橋」をかける>

子 あーあ、朝起きるのやだな…
母 朝起きるのがいやなんだ。(気持ちを受け止めます)
子 そう。起きなくちゃと思うんだけど…
母 起きなくちゃとは思ってるんだね。(受け止める。子どもが伝えたいことを伝えやすくなります。)
子 うん。部屋が真っ暗になると怖くてなかなか眠れないんだ。
母 そうだったの!真っ暗になると怖くてなかなか寝付けなかったんだ。(受け止める。)
じゃあ、小さい電気付けて寝るのはどう?(一緒に解決策を考える)
子 それも良いけど、電気はつけたままで、ママが寝るときに消してくれたらいいな。
母 それが安心するんだね。いいよ。

親は子どもに伝えたいことがたくさんあります。しかし、それも親子の間に信頼関係があって初めて相手に伝わるのです。まずは子どもの言うことに耳を傾け、心に触れることで、親子の間に心のかけ橋が築かれると、親の気持ちも子どもに届きやすくなっていきます。
コミュニケーションをキャッチボールに例えるなら、親が一方的にボールを投げていては、分かり合える関係にはたどりつけません。まずは、相手の投げたボールをしっかりと受けとめた後に投げ返すことで、相互理解のやりとりができるようになるのです。

 

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