探訪!vol.16 先進事例となるオンライン授業への挑戦

探訪

秋田県ではオンライン授業を導入している中学校はほぼ無い中、秋大附中では今春の休校措置を機にZoomを利用したオンライン授業を開始しました。導入までの経過と先生方の感想をお伝えします。

休校期間中にオンライン授業を試行

今年3月、コロナウイルス感染症拡大防止措置として休校が続く中、秋大附中では、オンライン授業導入に向けた試行がスタートしていました。教職員にとっても、全く未経験のZoom(オンライン会議システム)を利用しての授業。外部講師を依頼したり、教職員間で互いに模擬授業を配信しチェックしあったり、試行錯誤の中での挑戦です。秋田県内ではオンライン授業の経験がある中学校がほぼ無い中、先導役となったのは、ICT教育(パソコンやタブレット端末などを活用した教育手法)担当の教員でした。同校ではコロナ騒動以前から、函館や京都のICT教育先進校へ視察を派遣して早くから研修を進めていたことが、功を奏したようです。

家庭のネット環境を調査

4月中旬には、生徒各家庭のネット環境調査を開始。自由に使えるパソコンを持っている生徒、1台のパソコンを家族で共有している生徒、Wi-Fi環境が整っていない家庭、など状況は様々でした。オンライン授業を取り入れるためには1人1台のタブレット端末を準備する必要があります。幸い同校では、国が推進する「ギガスクール構想」(1人1台学習用コンピュータを用いて授業を行う環境の整備)に向け、40台のタブレットを準備していたため、Wi-Fi設備も含め貸し出すことで全生徒のオンライン授業参加が可能になりました。テスト配信段階では、扱い方が分からずZoomにうまく入れない家庭も多数あり、問い合わせの電話は鳴りっぱなし! 教職員総出で個々に電話、メール等で対応した結果、5月には無事にオンライン授業をスタートすることができました。

オンライン授業を企画・実施してみて

オンライン授業本番では、担当教諭1人に2、3人のサポート教諭が付き、チャット機能も活かした45分間の授業が行われました。実際に授業を受け持った先生方の感想をご紹介しましょう。

●ICT担当・数学教諭 阿部文勇先生
本校の授業の特長として、対話を重視していますので、生徒は先生の話を聞くだけではなく、クラス全員に手を挙げ発言する場面を作ってあげたいと授業構成を考えました。試行段階では他の先生方に授業を見てもらい、「モニターテレビがあった方が良い」「一斉に全員の表情が見えた方が良い」などと意見を出し合いました。
私は中2の数学で「計算の仕方・解決方法」の授業を行ったのですが、生徒たちの反応はとても良く、子どもたちのITに対する順応性の高さは驚くほどでした。

●ICT担当・技術・家庭教諭 花田守先生
教科の特色である「体験」をオンラインで表現したいと思い、植物の種まきの授業を行いました。作業技能に係る質問への対応として、別付けのカメラを使用し、細かな作業もクリアな画面で演示したことで生徒の反応も上々でした。コンビュータやオンラインの特徴を生かした授業づくりは今後も課題となると思います。

●Zoom初心者・国語教諭 伊藤郁子先生
Zoom機能に不慣れな私は、講義形式で文法の授業を行いました。教科により単元を選ぶ必要もあると感じています。クラス全員の顔がパソコン画面に表示されるのですが、個々の表情を追うのには正直手間がかかります。グループごとの話合いも巡回が対面授業のようにスピーディにはできませんでした。ただ、チャット機能では、普段手を挙げて発言することの少ない生徒が文字ではたくさんの意見を発信してきてくれたので、新たな可能性を広げるツールであることを実感しました。

最後に、目黒健教頭は「オンライン授業の利便性・即時性、対面授業でしか得られない肌感覚的なもの、双方の利点を活かしつつ、コロナ第2波に備えてICT機能を今後も活用していきたい」と語っていました。

学校行事もZoomで保護者に配信

7月上旬、秋田市中学校3年生交流大会に向けた壮行会が行われ、在校生からは激励が、出場する部員たちからは意気込みの発表がありました。例年は保護者も会場に入り生徒たちを応援していましたが今年は同席がかなわず、会の模様はICT担当の教員が準備したZoom機能を利用し、予め希望した保護者に配信されました。100人ほどの保護者がリアルタイムで配信を見たとのことです。

 

秋田大学教育文化学部附属中学校
秋田市保戸野原の町7-75 TEL 018-862-3350
※情報は掲載時のものです。詳細はご確認ください。
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